ブラック企業大賞2019年ノミネート理由
大賞:三菱電機株式会社
2017年末、MSEC 社では当時40代の技術者が自死し、2019年10月に長時間労働による労災であると認定された。
三菱電機グループで2014年以降、社員が自死したり精神障害を発症したりしたケースが判明したのは、これで3人目。また、三菱電機では、2014〜17年にシステム開発の技術者や研究職の男性社員5人が長時間労働が原因で労災認定され、うち2人が過労自死だった。
また、2019年8月には20代の男性新入社員が自死。教育主任だった30代の男性社員が自殺教唆の疑いで書類送検されている。三菱電機は昨年「ブラック企業大賞」を受賞している。
ウェブ投票賞:楽天株式会社
2016年6月、当時社員だった男性が、会議で激高した上司から首付近をつかまれ、壁際に押しつけられた。その際、頸髄を損傷して手足にまひが残り、うつ病を発症して現在も療養している。翌年8月に、労災認定された。
男性によれば、社内のパワハラ相談部署に掛け合ったが調査されず、配置転換の希望も受け入れられなかったため、暴 行の1か月後に退職せざるを得なかった。
男性は、楽天株式会社に対して「会社として責任を認めてほしい」と求めている。
特別賞:株式会社電通
2019年9月、同社は前年の社員の違法残業や、残業時間の違法な延長などを指摘され、労働基準法と労働安全衛生法に違反したとして是正勧告を受けた。
同社は2017年10月に労基法違反の有罪判決が確定しているが、その後の状態について是正勧告が出されたことになる。
同社では2015年12月に新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が自死。16年前には入社2年目の男性社員の自死が、6年前には30歳の男性社員の病死が過労死として認定され、2016年の「ブラック企業大賞」を受賞している。
特別賞:株式会社セブン-イレブン・ジャパン
2019年12月、全国のフランチャイズ加盟店から「代行」して支払っていたアルバイト・パートらの残業代の一部が1970年代から未払いだったと発表した。
本部にデータが残る2012年3月以降だけで8129店の計3万405人、未払い額は遅延損害金を含めて4億9000万円に上るとされる。
また同社をめぐっては今年、加盟店オーナーが契約内容を立て続けに告発。公正取引委員会がコンビニ業界の24時間営業などの実態調査を行う方針を明かしたほか、11月には本部社員が加盟店に無断で商品発注していたことも発覚した。
同社は2015年、主に加盟店に対する不公正な扱いを理由に「ブラック企業大賞」を受賞している。
#MeToo賞 長崎市
同市では2007年7月、原爆祈念式典に向けての取材にあたる女性記者に、同市の原爆被爆対策部長(当時)が性暴力をふるうという事件が発生した。
同年10月ごろ、市は内部調査を開始したが、その直後に当該部長は自殺。調査は加害者の主張のみを聴取するにとどまった。被害者への謝罪はなかった。
2014年、日本弁護士連合会が女性の名誉回復に向けた謝罪文とさらなる性暴力の防止策を徹底するよう勧告したが、同市は勧告を受け入れなかった。2019年4月、女性は損害賠償を求めて同市を提訴した。
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